【怒涛の】展開■’12年:TOP100世界1位→’13年:パーカー98点→’14年:JS99点…こんなナパ・カベってありました?【Peter Michael Cabernet Sauvignon "Au Paradis" 2014】 ≪ 黒 船 襲 来 ≫ △ 大・大反響御礼!おかげさまで楽天登録「全世界」のカベルネ種総合部門(総計22,071本)の中から【第一位】に選ばれました! ◎【WS誌世界一】→【パーカー98点】→【サックリング準満点】。
結論から先に申し上げますと…ピーター・マイケルが誇るナパ側のカベルネ・キュヴェ、『オー・パラディ』 に最新’14年が到着(ソノマ側が 『レ・パヴォ』)しました。
そしてこの’14年にてサックリング99点&年間TOP100第17位を獲得しました! 下記画像のように、オー・パラディは’12年にてスペクテイター年間TOP100の【世界1位】を獲得。
この時点で残念ながら割り当て制となり、そして翌’13年では【パーカー98点】を奪取。
ここで海外輸出が激減。
そして今年はサックリング【準満点】です…。
こんなナパ・カベあっただろうか?という怒涛の展開(品質)は嬉しいものの、日本向け出荷は随分と減ってしまいました。
◎多くのナパの造り手にとって、それは脅威の存在。
そんなオー・パラディをあらためてご紹介致しましょう。
ボルドー・ブレンドの 『レ・パヴォ』 でソノマ史上唯一の二大誌ダブル99点を獲得(合計198点は唯一。
ヴェリテですら最高191点)。
ピノは全米史上初のパーカー100点到達。
ソーヴィニヨン・ブランはアドヴォケイト誌上の歴代品種全米No.2(2016.1までは一位)。
シャルドネでは複数回のパーフェクト…。
実に4カテゴリー(品種)にて米国最上のワインを手掛けるという、他に類を見ない五ツ★
ワイナリー、『ピーター・マイケル』。
しかし彼らがエステート・ヴィンヤードを構える本拠地は、あくまでソノマに限定されていました。
ところが2009年、ソノマを制したピーター・マイケルが遂にナパへと進出。
オークヴィルのド真ん中、"超・一等地"(後述)に畑を購入し、そして’11年の 『オー・パラディ』 でナパカベ・デビューを果たしたのです。
それはナパの造り手たちにとって、「あのソノマの王者が遂に…」という黒船襲来の瞬間でした。
当店では嘗てこのP.M.のナパ進出と畑について日本で初めて報じさせて頂き、その畑の「前」所有者である 『ショウキット』、更にはショウキットからの果実で造られた 『ビーヴァン』(右画像)のご案内時に買収について触れました。
余談ですが、2011年にビーヴァンをご案内させて頂いた際、「カベルネ系のYanagiya的本年度No.1レア」と申し上げましたが、まるでそれを予言とするかのように、二年後の2013年にビーヴァンは【RP100点】を奪取。
該当銘柄の 『Tin Box』 は、一時 "$1000" を越えるなど、『スケアクロウ』 の再来かと思うほどの熱が注がれました。
ちょっと話が逸れてしまいましたので軌道修正。
そんなわけで、ピーター・マイケルがナパ上陸の拠点とし、新たに取得した自社畑がここ↓ ▼(旧)ショウケット・ヴィンヤード(Showket Vineyard) カルとドロシーのショーケット夫妻によって1988年に始動したショウキット・ヴィンヤードは「ナパ中のナパ」ことオークヴィル、そのシルヴァラード・トレイル側に在ります。
周囲にはスクリーミング・イーグルやヴァイン・クリフ、ラッド、フェルプスのバッカス・ヴィンヤードに、ターンブルのウェイツ・ヴィンヤードらが犇くという超・一等地。
専業グロウワーとして始動したショーケットは、ダラ・ヴァレ、ケイマス、シェーファーらに果実を供給し、それらの躍進とともに一躍オークヴィル東側を代表する名園として知られるようになります。
90年代後半から満を持して元詰めを開始。
招聘した醸造家こそがハイジ・バレットでした。
ナパの錚々たる面々を支えるトップ・グロウワーの独自レーベル、しかも手掛けるのは女神ハイジ。
年産三桁のスモール・ロット、更には二大メジャー誌における早々の大台突破などもあり、ショウケットの名はたちまちハイジ手掛けるワインの中でも最も希少な銘柄の一つへと変貌を遂げました。
しかしグロウワーとして、そしてプロデューサーとしても成功を収めたショーケット夫妻は、2009年にセミ・リタイアを表明。
直後報じられたのが、電撃的なピーター・マイケルの買収劇でした。
因みに後期の果実出荷先の一つが、最新鋭100点ナパ・カベの排出者である 『ビーヴァン・セラーズ』。
即ちこの畑は、女神ハイジが愛し、最新鋭RP100点生産者の礎となり、そしてピーター・マイケルの手に渡ったのです。
もう二度と手放されることは無いでしょうが…。
▼(新)オー・パラディ (Au Paradis) '11年を処女作とする 『オー・パラディ』。
英語で言うところの「In Heaven」(天国の中)を意味するもので、畑名もショウキット・ヴィンヤードから同名のオー・パラディ・ヴィンヤードへと改名されています。
「Red Dirt」とも呼ばれる、オークヴィルはイースト・サイド特有の乾燥した火山性土壌が広がり、左が畑の画像ですが、肉眼でもその褐色が確認できます。
標高500〜600フィート、谷を見下ろすヒルサイド・ロケーションにあり、十分な日照がスロープに降り注ぐ様は、まさに葡萄にとって "天国"〜In Heaven。
畑の取得こそ2009年ですが、最古の樹は1984年に植樹されたもの。
14.5エーカーのうち、10.6エーカーがカベルネ・ソーヴィニヨンで、残りの3.9エーカーにはフランが植えられています。
どちらも養分・水分を求めて地中深くまで根が張られ、適度なストレスが果実に深みと凝縮感を与えます。
これらを用いた完全なエステート・シングル・ヴィンヤードです。
醸造家ニック・モレは、ソノマ産の旗艦品であるレ・パヴォと、この新作ナパを比べて次のように語っています…「両者はモーツァルトとベートーベンのようなものだ。
どちらのスタイルがより良いか…ということは無い。
どちらも素晴らしい。
この場合モーツァルトがレ・パヴォだろうし、オークヴィル産がベートーベンだと言える。
」 ’14年はカベルネ76%にフラン24%。
畑の取得、およびワインのリリース開始は最近ですが、上述のようにショウキット・ヴィンヤードの転用のため、最も古い植樹は1980年代と、十分に育ったカベルネを用いることができるのは大変な強みです。
’14年は三年連続となった深刻な水不足が続いた年で、雨量も通常の冬季の7割程しかありませんでした。
春は異常に暖かく、発芽は3〜4週間早まったとか。
ブドウの生態性と健康を守るため、水の扱いに非常にナーバスになったヴィンテージでしたが、PMが完備しているドリップ灌漑システムが有効に働いてこれをカバー。
インディアン・サマーの影響でブドウは成熟し、結果として例年よりも皮の厚いブドウが多く収穫され、凝縮感を感じるワインとなったそうです。
※因みにTOP100世界一位に選ばれた’12年は、WA誌参考相場でも最大$900(10万円)を越えるという一幕も。
色合いは深みある赤いルビー。
テクスチャは非常にシルキーで、ブラック・カラント、カシスのリキュール、ジビエ、ブラック・ベリー・リキュール、ブラック・オリーブ、ココナッツ、プラムのオー・ド・ヴィー、鉄のようなミネラリティも。
洗練されていて角がなく、複雑で長い余韻。
30年以上は熟成が期待できるでしょう。
●ナパ、ソノマのカベルネを双方手掛ける造り手にはシルバー・オーク(別瓶)やプライド(同一瓶内)らがありますが、このカベルネの誕生により、「両刀最高峰」の座はいまPMに…。
■ジェームス・サックリング99ポイント [ 2017年間TOP100/#17 ] ■パーカー監修アドヴォケイト誌94ポイント